2012年バックナンバー
青いユリ
5月の第2日曜日を「母の日」とするのは、日本固有のものでもありませんし、中国由来のものでもなく、欧米からきています。
母親のいる人は「赤いカーネーション」を母親に贈り、母親と死別した人は「白いカーネーション」を墓前に捧げるというのも、日本のオリジナルではなく、20世紀初頭のアメリカが起源といわれています。ただ、仏壇に白いカーネーションをお供えするのは日本オリジナルだとは思います。
平成24年5月9日、新潟県は、サントリーと共同で、遺伝子組換え技術により、世界で初めて「青いユリ」の開発に成功したと発表しました。青色がより鮮明になるよう開発を進め商品化を目指すそうです。
もともと、ユリ(ユリ科)、バラ(バラ科)、カーネーション(なでしこ科。カーネーションの和名は「オランダなでしこ」です)などの花には、天然のものには「青」はないそうです。
青色の色素を作るのに必要な、最初から、青色遺伝子がないことが原因だそうです。
もともと、青いバラ(Blue Rose)は、「不可能」という意味にも用いられていて、花言葉も「不可能・有得ない」だったそうです。
日本人(サントリー等)は、バラに青色の遺伝子がないのなら、遺伝子組換え=他の青色の花の遺伝子をバラに組込むという方法を試みました。
そして、平成16年、世界で初めての青色カーネーションが誕生しました。
ペチュニアから取出した青色遺伝子を組み込んで品種改良したものです。
特許も取得し、平成20年からは、市販されています。
青いバラの花言葉も「奇跡」「神の祝福」と変わったそうです。
食べるものではなく、鑑賞するものですから、遺伝子組換えによる人体への危険はなさそうです。
青いカーネーションも遺伝子組換えでつくられ、「ムーンダスト」という商品名で発売され、現在、1本500~550円と通常のカーネーションより割高ですが、母の日のプレゼントに好評だそうです。
コマーシャルベースに乗ってくるまでになったのですね。
青いバラ、青いカーネーションほど人気が出るのでしょうか。