2012年バックナンバー
長い名前
大阪市が誕生した明治22年には、東、西、南、北の4区しかありませんでした。
市域の拡張に伴って区の分割・増設が進み、現在の24区になったのは平成元年のことです。平成元年に東区と南区が合併して中央区になりました。
淀川区と東淀川区と西淀川区を一緒にして「淀川区」とするのならいいのですが、「淀川都島旭区」とか「北中央西区」とか「住吉住之江平野区」とかが誕生するのは嫌ですね。
ドイツには、2つの州をあわせたような区があります。
まずは、シンプルなものから。7州・3市あります。3市は、歴史的経緯から、州と同格の権限をもちます。
バイエルン州
ベルリン市
ブランデンブルク州
ブレーメン市
ハンブルク市
ヘッセン州
ニーダーザクセン州
ザールラント州
ザクセン州
テューリンゲン州
次に、足しあわせたものを。6州あります。
バーデン=ヴュルテンベルク州
メクレンブルク=フォアポンメルン州
ノルトライン=ヴェストファーレン州
ラインラント=プファルツ州
ザクセン=アンハルト州
シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州
州の名前、公国、大公国の名前、県の名前、選帝侯領の名前などが混在しています。
ちなみに「ニーダーザクセン州」は「ニーダー」と「ザクセン」が足し合わさったものではありません。「ニーダー」は「低地」「低い」という意味です。
日本の県には、江戸時代以前の旧国名を2つ並べたような県名はなく、すっきりしていますね。
本来、地下鉄駅も、2つの地区をあわせた駅名は、まぎらわしくて、しょうがありません。
御堂筋線の西中島南方駅などは、悪い駅名の典型です。
大阪の谷町線は、太子橋今市駅、千林大宮駅、関目高殿駅、野江内代駅、四天王寺前夕陽丘駅、駒川中野駅、喜連瓜破駅など、地名を合わせた駅名だらけですね。
「野江内代」「喜連瓜破」は、難解な駅名の典型です。
つまり、町の境界となっている道路の下につくられたことになりますから、一方の名前を付けると他方が満足しないことはわかります。
ただ、他の地下鉄も同じ理屈ですから、十分な理由とはなりえません。