2012年バックナンバー
高速道路の利用料の行方
日本全国のトンネル1万300本のうち、築30年以上のものは4800本、築40年以上は3200本にのぼります。
また、補修を必要とするトンネルや高架橋などの損傷が約56万か所で確認されているそうです。
補修を必要とするトンネルや高架橋などの損傷は、平成17年に4万7000か所でしたから、6年間で10倍以上に増えています。
列島改造計画の影響もあるのでしょう、日本では、昭和45年から昭和55年にかけて、大量に建設した橋や道路の改修・補修費用だけで、向こう40年間で600兆円、年間15兆円を要するとの試算もある。
日本の負債は、1000兆円を超え、少子高齢化による年金・医療の急増などで、インフラの改修・補修への投資を増やせない状況です。
一方では、利用者もろくにいない地方に、高速道路の大盤振舞いをしたり、採算の合うはずのない新幹線をつくろうとしています。
公共工事は必要でしょう。
地方に無用な高速道路や新幹線をつくるのではなく、老朽化したトンネルや高速道路は補修しないと、第2、第3の「笹子トンネルの悲劇」が起こるでしょう。
日本全体が人口減少し、なおさら地方は過疎化の一方、それでも地方に新しい道路などというのはばかげています。
なお、東名、名神高速道路は、とっくに消却が終わっているはずなのに、いつまでも高い高速料金をとられているのでしょうか。
日本の有料道路は、建設費の採算が取れるか、あるいは、償還期限がくるか、どちらか早い方が到来した時点で、無料の道路になるのが原則です。しかし「日本の高速道路網を全国に普及させるため」に、新たに建設する道路の費用を、現存の東名、名神高速道路をはじめとする高速道路、自動車道の通行料金でまかなうという特別措置が認められているという理由からだそうです。
通行自動車が「がらがら」な地方に高速道路をつくるために、都市部の住民が犠牲になっています。
といいますか、物流コストが余分にかかりますから、全国民が「地方の人」を「助けてやっている」ということになります。