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司法 バックナンバー 3/3

懲戒請求者の責任

一時、タレント弁護士のテレビでの懲戒請求呼びかけと、懲戒請求された弁護士からの損害賠償請求がマスコミで報道されていましたが、その後、どうなったんでしょうか。

 ちなみに、「平成19年4月24日付最高裁判所判決」 によれば、以下のとおり判示されています。
「 弁護士法58条1項に基づく懲戒請求が事実上又は法律上の根拠を欠く場合において、請求者が、そのことを知りながら又は通常人であれば普通の注意を払うことによりそのことを知り得たのに、あえて懲戒を請求するなど、懲戒請求が弁護士懲戒制度の趣旨目的に照らし相当性を欠くと認められるときには,違法な懲戒請求として不法行為を構成する」

 上記要件を満たせば、違法な懲戒請求として不法行為責任追求の損害賠償請求訴訟を提起される可能性があります。
 主張がとおるかどうかは別として、訴訟を提起されるだけでも「わずらわしい」ような気がします。

 以上は、民事的なものですが、刑事的にも、刑法172条(虚偽告訴等)「人に刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴、告発その他の申告をした者は、3月以上10年以下の懲役に処する」という規定の適用があります。私が、大学で習ったころは「誣告罪」といわれていましたた。
 もっとも、あまり、懲戒申立で、起訴されたという話は聞きません。

 しかし、相手は弁護士です。費用をかけずに、自分の最寄りの裁判所に、損害賠償請求訴訟を提起できますし、「信念」を持った弁護士を相手にすると、怖いというのが一般です。
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