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司法 バックナンバー 3/3

元首とは

 「元首」という言葉をご存じでしょうか。

 元首は、国家の首長のことで、君主制の国家では皇帝や国王などの君主、共和制の国家では大統領が元首とされています。社会主義国では中華人民共和国の国家主席、キューバのカストロ国家評議会議長、リビアのカダフィ9月革命指導者など、さまざまあるようです。
「外務省のホームページ」 に記載されていますが、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)、台湾(中華民国)は、国交がないのでも記載されていません。

 さて、かんじんの日本はどうでしょう。日本の外務省のホームページにはのっていませんね。外国はどう見ているのでしょう。
 例えば、 ドイツ外務省公式ホームページ の日本の欄を見てみますと、「Staatsoberhaupt: Kaiser Akihito, seit 7. Januar 1989 」(「元首:明仁天皇,1989年1月7日より」)と記載されています。

 2007年ハイリゲンダム主要国首脳会議の席順は、以下のとおりです。
  アンゲラ・メルケル(議長・ドイツ連邦首相)
  ウラジーミル・プーチン(ロシア連邦大統領)
ジョージ・W・ブッシュ(アメリカ合衆国大統領)
ニコラ・サルコジ(フランス共和国大統領)
トニー・ブレア(イギリス首相)
スティーヴン・ハーパー(カナダ首相)
  ロマーノ・プローディ(イタリア首相)
安倍晋三(日本国内閣総理大臣)

 
議長は席順のトップに来ます。その他は、元首が先、元首でないものが後、同格の場合、就任期間が長い者が先に来ます。日本国内閣総理大臣は、元首の扱いを当然ながら受けていません。

 また、国家首脳が海外を訪問するとき、訪問相手国が鳴らす礼砲は、天皇陛下21発(元首扱い)、首相19発(元首でない扱い)となっています。


 天皇が元首かどうか、法的には議論がありますが(明治憲法には、天皇が元首と明記。現憲法には明記されていない)、あまり、元首か否かは、国内で議論しても、あまり意味はありません。
問題は、外国がどう扱うかであり、天皇陛下が「元首」と扱われていることは間違いないようです。

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