本文へ移動

司法 バックナンバー 3/3

原価のネタばらし

原価いろいろというコラムで以下のように書いています。

 「 私の事務所のように、旧大阪弁護士会報酬規定に準拠している場合、旧大阪弁護士会報酬規定が、事件の類型で「黒字」「赤字」と分かれるような、あまり合理的でない報酬体系になっていますから(回転寿司のネタの原価、100円均一ショップの原価のように「ばらばら」です)、受任の段階で、事件の類型ごとに「黒字」「赤字」がおおよそわかります。
 どういう事件が「黒字」で、どういう事件が「赤字」かは書きません。
 「黒字」の事件について、「値切られる」おそれがあるからです。
 逆に「赤字」の事件だからといって、追加して報酬をもらえるわけではありません。」

 ということでしたが、1つお教えします。
 離婚訴訟事件は、結婚期間、年齢、未成年の子供の有無などにかかわらず、着手金30万円+消費税、報酬30万円+消費税と均一になっています。
 慰謝料とか財産分与とか年金分割があれば、その分別途追加です。

 ということで、同料金の離婚事件ですが、未成年の子供がいるかどうかによって大きく違います。親権・養育費・面接交渉などで、調停がまとまらず訴訟、訴訟で和解ができず判決、判決に納得せず控訴・・と延々と続く場合があります。
 面接交渉の立会いまですることもあります。

 しかし、未成年の子がなければ楽ですね。親権・養育費・面接交渉がなければ、争点は多くありません。そして、争いの解決ははるかに楽になります。

 また、子が独立した熟年離婚は弁護士としては割に合う事件です。
 未成年子はいない、それなりの財産を築いていて財産分与も大きい、年金分割なども期待できる、などなど「楽」で「得」です。

 競争の激しい民間企業なら、絶対、未成年の子の有無で、弁護士報酬の金額を分けるでしょう。
 もちろん若い人から余計にいただき、熟年者からは少なくいただくという料金体系になります。
  お金のない若夫婦が多額の弁護士報酬を負担し、お金のある熟年夫婦が少額の弁護士報酬の負担が少ないとすれば、「逆累進」もいいところです。
 ただ、若い人は、弁護士に報酬を支払うだけの資力が不十分な方も多いですから「割増」など「とんでもない」ということになります。

弁護士は、未だに「算術」ではなく「仁術」でしょうか。

TOPへ戻る