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司法 バックナンバー 3/3

ダフ屋

 「ダフ屋逮捕」という見出しを目にすることがあります。

 ダフ屋とは、鉄道の乗車券・指定券、コンサート、スポーツの試合など観覧娯楽のチケットを転売目的で購入して販売する者のことをいいます。

 逮捕される以上は、刑事罰の根拠となる法令があるはずですが、通常、都道府県の迷惑防止条例が根拠となっています。

  「大阪府迷惑防止条例」 をご覧下さい。

「(乗車券等の不当な売買行為(ダフヤ行為)の禁止)
 第2条
 1項 何人も、乗車券、急行券、指定券、寝台券その他公共の運送機関を利用し得る権利を証する物又は入場券、観覧券その他公共の娯楽施設を利用し得る権利を証する物を不特定の者に転売し、又は不特定の者に転売する目的を有する者に交付するため、次に掲げる行為をしてはならない。
 一 乗車券等を、公衆に発売する場所において、買い、又は公衆の列に加わって買おうとすること。
 二 前号に掲げるもののほか、乗車券等を、道路、公園、広場、駅、空港、埠ふ頭、興行場、飲食店その他の公衆が出入りすることができる場所又は汽車、電車、乗合自動車、船舶、航空機その他の公衆が利用することができる乗物(以下「公共の乗物」という。)において、買い、又は人を勧誘して買おうとすること。
 2項 何人も、転売する目的で得た乗車券等を、公共の場所又は公共の乗物において、不特定の者に、売り、又は人を勧誘して売ろうとしてはならない。

第18条 次の各号の一に該当する者は、50万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
 一 第三条の規定に違反した者 」となっています。

 昔は、日本にも、鉄道の乗車券・指定券の「ダフ屋」がいたのですね。

 私は、一昨年(平成20年)のゴールデンウィークに中国旅行をしましたが、杭州駅から北京南駅への超特急列車(子弾頭・新幹線「はやて」のライセンス生産)の乗車・指定券売場で、中年女性のダフ屋に、日本語で「買わないか」と誘われたことがあります。
 乗車・指定券は、杭州駅到着時に購入していたので断りました。

 日本で、鉄道の乗車券・指定券の「ダフ屋」などいないだろうと思っていたら、夜行快速列車「ムーンライトながら」の座席指定券をインターネットネットオークションで転売したとして、会社員が逮捕されました。

 「ムーンライトながら」は青春18切符でも乗れる東京・大垣間の列車で、その指定券は、「知る人ぞ知る」プラチナチケットです。

 「つきまとうなどの迷惑をかけていないのになぜ逮捕」と疑問については、条例1項一号に「転売目的」で「公衆の場所」にて「購入すること」が処罰の対象となるからです。
 インターネットネットオークションで売却したことが処罰の対象となるわけではありません。

 野球場やコンサートでは「券あるよ、券あるよ」と声をかけてくる人がいますね。
 私自身、高校野球をみに甲子園球場へ行ったことがある以外(無料です)、入場券なしに野球場やコンサートに行ったことがありません。
 よほど「きょろきょろとして」「物欲しそうに」見えたのでしょうか。

 ちなみに、去年取壊されたヤンキースタジアムには数回行っているのですが、チケットオフィスの列のあたりで「Tickets?Tickets?」と声を出しているダフ屋がいます。
 日本人とみると声をかけてくるようです。

 入手しているチケットが「外野2階席」だったとき、興味本位で、値段を聞いたのですが、内外野中間あたりの1階席で、本来の売価の約2倍でした。
 案外「良心的だな」「買おうかな」と思いましたが、結局「自分の持っているチケットをどうするか」「これを売るとダフ屋になるかな」と考えて止めにしました。

 日本ならともかく、アメリカのニューヨーク州の法律や条令を知っているはずもなく「君子危うきに近寄らず」ということです。

 ダフ屋は、洋の東西、老若男女を問わないようです。
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