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医療のバックナンバー

熱中症

暑い日が続きます。
 熱中症で亡くなられる方も増えているようです。

 熱中症は、高温多湿等が原因となって起こる症状の総称です。
 「日射病」のほか、「熱失神」「熱痙攣」「熱疲労」などが含まれます。
 熱中症Ⅰ度・Ⅱ度・Ⅲ度という分類もあります。

 なお、なぜ「中」という字が入っているかと不思議に思われる方がおられるかも知れませんが、「真ん中」という意味ではなく、「中」という漢字には「あたる」、つまり「当たる」という意味があるからです。
 「食中毒」は「食物」の「毒」に「あたる」ということですね。

 熱中症は、高温あるいは直射日光により、汗による脱水や、末端血管の拡張により、体の血液の循環量が減少がすることにより起きます。

 予防方法と対処方法は、日射病は「直射日光」にあたらないようにすることのほか、すべてについて、水分を十分摂取し、血液の循環をよくすることにつきます。


 水分の補給は、重症になり自力で水分を摂取できない場合は、輸液(点滴)によることになりますが、自力で水分を摂取できるのなら、経口的に水分を摂取-つまり「水を飲む」-ということになります。

 水分補給は、単なる水ではなく、スポーツドリンクなど、電解質の含まれたものがよいとされています。
 単なる水は、浸透圧が低いため、胃や腸にすぐ到達・吸収されますが、体液が急激に薄まる=電解質バランスが崩れるため、体液の恒常性維持機能が働き、摂取した水分の一部が尿として排出されてしまうからです。

 スポーツ飲料は、アイソトニック飲料といわれ、効率良く水分を補給し、体に対する負担を少なくするように、カリウムイオン、ナトリウムイオンなど電解質、マグネシウム・カルシウムといったミネラル分を含んでいます。
 また、生理食塩水(0.9%のNaCl)に近い浸透圧、疲労の原因となる乳酸の分解を助けるクエン酸や、エネルギー源であるブドウ糖やショ糖も含まれています。

 熱中症の場合、より水分を吸収できるようにするため、スポーツ飲料を、水で希釈して(薄めて)、つまり、体液の浸透圧よりも、浸透圧を低くすると、効率よく水分が補給できます。
 アイソトニック飲料のほか、それより電解質の低い、ハイポトニック飲料というものも販売されています。

 スポーツ飲料のお金がもったいなければ、水に少量の塩を加えて飲むということも可能です。
 ただ、塩加減が多すぎると、逆に水分が失われてしまいます。
 遭難して、のどが渇いても、海水を飲むと逆効果というのと同じことです。

 宣伝をするわけではありませんが、スポーツ飲料を飲んだり、スポーツ飲料に水を加えて飲むというのが賢明です。電解質が多すぎるということはありえません。

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