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トリビア バックナンバー 2/2

ラテン語

民事法の大原則をご存じでしょうか。
 「pacta sunt servanda」つまり「合意は拘束する」「合意は守られなければならない」ということです。
 こんな文章は、基本的にどこにも記載されていません。「自明」の事と考えられています。 例外は、強行規定(en:jus cogens)に反する場合だけです。

 ベニスの商人で、裁判官のポーシャは、「強行規定」違反である「公序良俗違反」で、当該部部だけを無効にすればよかったんでしょうね。
 シェークスピアは、知っていながら、あえて大衆向き、つまり、ポーシャの「機転」を強調するため)に書いたのかも知れません。

 では、刑事の大原則は何でしょう。
 「in dubio pro reo」つまり「疑わしきは罰せず」で、刑事訴訟における重要な原則を表したものです。「疑わしきは被告人の利益に」とも言います。
 これは、明記されていまか。
 刑事訴訟法36条「被告事件が罪とならないとき、又は被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない」とされています。

 これは、判決宣告の時だけではなく「無罪の推定」として、身柄拘束の際も、有罪判決が確定したときと、有罪判決が確定していないときと大きな違いがあります
 来年から実施の裁判員の方々には、ちゃんと周知徹底されるのでしょうね。

 ちなみに、私がドイツに留学していたとき、語学学校の先生が「知っているラテン語を言ってください」という質問をしたので、「pacta sunt servanda」「in dubio pro reo」の2つだけと答えると、妙な感心をされました。
 日本の法律は、戦前は、ドイツ(プロイセン)、フランスなどから、戦後は、アメリカからの「輸入」が多いですからね。大陸法の源流はローマ法のようです。
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