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トリビア バックナンバー 2/2

旧地名と旧国名

爆破テロがあった「ムンバイ」という言葉を聞いて「どこの国」と思った人もあったと思います。

 インドには、イギリス植民地時代の名前が、もともとの名前にもどされた地名があります。
 1995年、旧「ボンベイ」が「ムンバイ」に変更されました。
 1998年に旧「マドラス」は「チェンナイ」に、2001年に旧「カルカッタ」は「コルカタ」に改名されました。
 また、2006年に旧「バンガロール」は「ベンガルール」に改名されています。
 「デリー」は旧来の名前のままですから変わりませんが、「ニューデリー」あたりが変わるかもしれません。

 これらは、基本的には、宗主国の植民地として、外国風の名前を付けられていた国が、自国民が付けている元の名称に戻すということです。宗主国に名前を付けられるというのは、植民地で自国のと名がつけられなかったということになります。

 ちなみに、他人事(ひとごと)ではなく、「京城」が「ソウル」に、「奉天」が「瀋陽」(満州国の宗主国が日本であったかどうかは異論があるところかも知れません)にかわっています。

 次に、政治体制が変わって都市名が改められる場合があります。

 旧ソ連では「レニングラード」が「サンクトペテルブルグ」、「スベルドロフスク」が「エカテリンブルグ」とかわっています。

 国名も変わりますね。

 今のタイは、昔は「シャム」といっていました。
 かろうじて「シャム猫」などにのこっています。

 今のミャンマーは「ビルマ」でしたよね。
 これは、現在も、問題があって、現軍事政権が「ミャンマー」、アウンサンスーチー女史など、反軍時政権派は「ビルマ」と呼びます。
 この国を「ミャンマー」と呼ぶか「ビルマ」と呼ぶかで、政治的スタンスが分かります。

 今のスリランカは「セイロン」でした。
 「セイロン茶」に名をとどめています。

 今のイランは「ペルシャ」です。
 奇しくも、シャムと同じで、「ペルシャ猫」などに残っています。


 こういう合理的=意味のある改名はいいのですが、平成の大合併すごいですね。
 歴史や伝統などあったものではありません。
 また、近年、政令指定都市になった市の各区名も「東」「西」「南」「北」「中」など、麻雀の牌のような名前が並んでします。
 大阪市や(「旭区」「阿倍野区」「生野区」「住之江区」「天王寺区」「浪速区」「西成区」「西淀川区」「東住吉区」「東成区」「東淀川区」「平野区」「福島区」「都島区」「淀川区」など。「北区」「中央区」「西区」などは平凡です)、東京23区には、伝統的な名前がついている区名が多いのと対照的です,

 もっとも、無機質になるのは、旧地区どおしの醜い争いがあるため(当然、自分の地区名優先です)、抽象的な名前とならざるを得なくなったものが多いそうです。

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