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外国事情 バックナンバー1/2

トルコとギリシャ

地中海にキプロス島があります。
 南側のギリシャ系のキプロス共和国と、北側のトルコ系で、トルコのみが承認する北キプロス・トルコ共和国に分断されています。
 平成22年4月22日の大統領選挙で、統合に消極的な現職首相が、統合に積極的な現職大統領に競勝ちました。

 トルコとギリシャは仲が悪いですね。

 ギリシャは、もともとトルコ共和国の前身であるオスマン帝国から、ギリシャ独立戦争で分離独立しました。1832年3月25日のことです。
 逆にいえば、それ以前は、オスマン帝国の一部だったことになります。

 私がドイツに留学していた25年前のころ、ドイツには、外国人労働者(Gastarbeiter)として、トルコ系とギリシャ系が多く働いていました。
 清掃作業など単純作業(Schmutzige Arbeit=汚れ仕事)など、ドイツ人のいやがる仕事を外国人労働者にさせていました。
 そのため、ドイツは外国人の「あふれかえる」国になっています。

 トルコ系とギリシャ系は、まさに「犬猿の仲」で、トルコ系住民の反ギリシャ・デモ、ギリシャ系住民の反トルコ・デモがさかんにありました。
 個人単位でも「いがみあっている」というのが分かりました。
 1832年の独立から長い年月が経過しているのですが、恨みは続いているのでしょうね。

 キプロス問題は、ギリシャが、トルコのEU加盟に反対する絶好の「口実」になっています。

 もっとも、トルコが「ヨーロッパ」かどうかは疑問ですし、宗教も違う、人口が多く、貧しいということを考えると、トルコのEU加盟はむずかしいでしょう。
トルコがEUに加盟した場合トルコ人労働者のEU圏内での就労は自由化されて、人口の多いトルコ人が、EU諸国に「あふれかえる」ことになります。

 もっとも、ギリシャも、「粉飾決算」でユーロ加入したわけで、他人様のことはいえません。

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