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外国事情 バックナンバー2/2

オランダ人気質

EUも広くなりました。

「 英国人のコックの腕前、フランス人の運転方法、ドイツ人のようにユーモアを持ち、スペイン人のように謙虚さをそなえ、ポルトガル人ようにメカに強く、ベルギー人のように役に立ち、フィンランド人のように饒舌で、オランダ人のように気前がよく、オーストリア人のように忍耐強く、イタリア人のように統制が取れていて、デンマーク人のように慎みがあり、アイルランド人のように酒を飲まず、ギリシャ人のように計画的で、ルクセンブルク人のように有名で、そしてスウエーデン人のように融通がきく」

 というブラックジョークがありました。
 
この中で、オランダをとりあげてみます。
 私が、ドイツに留学していた1982年から1984年に、私のいとこの夫が、アムステルダムに某造船会社の駐在員として勤務していましたから、ある程度、オランダのこと、オランダ人も知っています。

 上のジョークにあるように、オランダ人は「けち」です。
 経済合理観念が発達していると言い換えていいかもしれません。

 ドイツ人も、オランダ人と同じく、ヨーロッパ内では「けち」で有名です。
 あのドイツ人が、オランダ人のことを「けち」というのですから、「どけち」ということになります。
 ヨーロッパの自動車には、普通、国識別番号(ドイツ=D、フランス=F、スイス=CH、ベルギー=B、オランダ=NL、イタリア=Iなど)の国識別番号がナンバープレートや車体に貼られているのが普通です。
 日本は、陸の国境がありませんから、「J」をつけなくても、他国籍の自動車が走ることはありません。
 上記のとおり、オランダはNL(Nieder Lande)なのですが、ドイツ人は、こっそりNLを(Nur Lemonade)と呼んだりします。
 Nur は only の意味です。
旅行に行っても、高いアルコール飲料を注文せず、注文するのは、一番安いレモネード=炭酸飲料 だけだという意味です。

 いとこ夫妻と、いとこ夫妻の親しいオランダ人宅にうかがってびっくり。
 なんと出てきたワインが、ドイツ語ラベルの白のTafelwein(Teble wein)。
 ワインは、ドイツ語圏では、Praedikatswein・Qualitaetswein mit Praedikat (産地の特定がなされ認証を受けた高級ワイン)、Qualitaetswein(高級ワイン)、 Landwein (国産ワイン)、Tafelwein(テーブルワイン)の4段階に分けられます。
 Tafelweinは、どこの国のどこのワインが混ぜられているかさえわかりません。

 まあ、ちゃんと冷やしさえすれば、十分おいしいんですけどね。

 ちなみに、英語には、オランダを表す「Dutch」に「ろく」な言葉がありません。
17世紀の英蘭戦争など、貿易的にイギリスと対立することが多かったことが理由のようです。
 そういえば、New York も、かつてはNew Amsteldamでしたしね。

 Dutch accountといえば「割り勘」、go Dutchといえば「割り勘にする」、Dutch auctionといえば「逆競り。競り下げのオークション」(実際の価値よりも高い値段で品物を出し、買い手がつくまでだんだん値段を下げていく売却方法。何か、寅さんのたたき売りを連想させます)などなど。
 もちろん、オランダ人が実際に割り勘ばかりしているかというと、もちろんそうではありませんが、「けち」は間違いありません。

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