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金融・経済 バックナンバー

リーマンとAIG

サブプライム問題で、アメリカの企業が瀕死の状態になり、一方で倒産し、他方で政府に救済されたりしています。
 前者の代表が、証券大手リーマン・ブラザーズ、後者の代表が保険大手AIGです。

 米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は、米上院の公聴会で、証券大手リーマン・ブラザーズを救済せず破たんさせた理由について「同社の経営危機は広く知られており、破たんの可能性が相当高いことを明確に認識できた」「投資家や取引相手は『予防手段を講じる時間があったと判断した』ためだと証言し、また、AIGを救済したことについては「金融市場の状態やAIGの規模と債務の構成の観点から、突然の破たんは国際金融市場の安定や米経済に対し深刻な脅威を与える」と証言しました。

 言葉どおり受取っておきましょう。

 私は「投資するような金」は持合わせていませんし、仕事で何かすることもないので、リーマン・ブラザーズが倒産と聞いても、リーマン・ブラザーズはアメリカの証券会社の一つくらいの認識で、何で大騒ぎをするのか程度の認識しかありませんでした。

 伝統ある投資証券会社ですが、経営危機説は、アメリカだけでなく日本の証券界業界でもよく知られていたらしく、「つぶれるはずがない」として、高利に目のくらんだ大口投資家が、何千万円、億単位のリーマン・ブラザーズの社債などを購入して大損をしたようです。
 それだけの資産がある人は、損をした金額は大きくとも、残った保有財産は一般人が想像もできない金額なんでしょう。

 リーマン・ブラザーズは、しょせん証券会社、日本の山一証券廃業も、10年も経てば、とっくに記憶の彼方です。


 AIGは、日本人なら大抵知っているでしょう。
 アリコジャパン、AIGスター生命、AIGエジソン生命など生保の他、AIU、アメリカンホームなどの損保を展開し、生保3社の保有契約件数は1000万件を超えるそうです。

 AIGは、サブ・プライムローン関連で経営難に陥っている金融機関への「保険」を引き受けている最後の砦で、AIGが倒産したら全世界的な大恐慌になる恐れがあったのでしょう。ちなみに、金融機関への「保険」とは、AIGが各金融機関と契約しているクレジット・デフォルト・スワップ(CDS=credit-default swap)のことで、投資家が購入した金融商品が債務不履行になった場合に、元本を保証する超ハイリスクのデリバティブの一つで、AIGは6000億ドルものCDSを保有していたそうです。

 もっとも、猶予期間は2年ですから、心配性の方は、掛捨てではなく、資産性のある保険は解約しておいた方が安全かも知れません。

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