本文へ移動

金融・経済 バックナンバー

ゼロ金利・マイナス金利

マイナス金利ということは現実にあるのでしょうか。

 平成20年12月9日のニューヨーク債券市場で、米財務省証券(TB)3カ月物の利回りが一時マイナス圏に落込みました。
 TBの利回りがマイナスになるのは史上初だそうです。財務省が同日実施したTB1カ月物の入札は、落札利回りが史上最低の0.00%となりました。売買手数料を引くとマイナスです。

 数ある金融商品のなかでも特にリスクが低いとされる米短期国債(期間が短いことから、債権価格に変動がごくわずかで、実質的にドル札を持っているのに近いです)に資金が集中するのは、米政府・当局による大規模な対策が相次ぐなかでも、投資家にリスク回避姿勢が根強いことを示しています。

 株価急落などを受けてデフレ傾向が一段と強まりかねないといった懸念が強まり、一部の投資家が資金をTBにシフトさせた結果だそうです。


 普通の考え方をすれば、金利の下限はゼロでしょうね。
 マイナス金利があるとすれば、預金者がお金を預けると銀行に金利を「支払」わなければならないということです。誰が金利を払ってまで銀行に預けるのでしょうか。

 ただ、マイナス金利はありえます。

 経済学的には、金利の水準は貸したい人と借りたい人の需給が見合う水準で決まるだろうというのが常識的な結論です。
 今の日本のように、インフレ率がゼロ、あるいは、デフレでマイナスに近く、実質経済成長率もゼロに近いマイナスであるから、金利の水準はゼロないしはマイナスでもいいという結論になります。

 しかし、例えば銀行に預けないとした場合、人はタンス預金を考えるのでしょうね。
 タンス預金は安全でしょうか。窃盗にあう確率が増えます。家が火事で焼けてしまうこともあります。現金に保険は原則として下りません(法律事務所の盗難保険など、例外はあります。上限は低いですが)。
 通常、現金を大量に保管しておくなら、銀行の貸金庫でしょうね。
 でも、結構、利用料は高いです。
 また、得体の知れない多額の現金は、マネーローンダリングを疑われ、面倒な思いをするかもしれません。

 銀行に預けておけば、盗難や火事の心配はありません。銀行が危険を負担します。
 ちなみに、わずかな預金をしていない人から、口座管理料などをとらない日本の銀行は良心的かもしれません。
 「ごみ客」扱いされて、長い待ち時間待たされることはありますが・・


 現在の金融危機を見ていると、一番得をしたのは「円の銀行預金」「日本の国債購入」をしていた人のようで、株式、会社債券、投資信託、外貨預金をしていた人は「軒並み」損をしています。

 あるいは「お金を持っていない人」も損はしていないのですが、景気が悪くなっって会社が倒産したり、リストラされたり、あるいは、ボーナスや残業代が少なくなって「痛い目」にあうかもしれません。

 損切り覚悟で、「円の銀行預金」「日本の国債購入」に移すのが賢明かもしれません。

TOPへ戻る