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金融・経済 バックナンバー

限界効用

「限界効用」(Marginal Utility)という言葉を聞いたことはありませんか。

 物、および、サービスを1単位追加して消費することによる効用の増加分のことをいいます。

 なお、「限界効用」の「限界」ですが、日本人が、一般に考える「限界」(例えば「もう限界だ」というような意味)とは異なります。あくまで「一単位増やしたときの」という意味です。
 英語では「Marginal」と表現されていて、英単語のままで考えたほうが、理解しやすいかも知れません。英語の「Marginal」は「端っこの」という意味です。
 「限界」という漢語をもちいたのは失敗で、「マージン」「マージナル」というカタカナ語にしておけばよかったのかも知れません。


 「限界効用」は、「効用関数を財の消費量で微分したもの」と定義されます。

 「微分」ですから、グラフに刈れば、「傾き」が、上方向か下方向か、急か、なだらかか、それとも平坦かということになります。

 「限界効用逓減の法則」が一般に知られています。

 財の消費量が増えるにつれて、財の追加消費分(限界消費分)から得られる効用は次第に小さくなるとする考え方です。

 分りやすい具体例をあげれば、お金のないときに、ある人から1万円もらうとすごくうれしいでしょう。もう1万円もらうとやっぱりうれしいでしょう。さらに1万円もらうと、うれしいけど、最初ほどのうれしさではなくなってきます。

 お腹が空いているときに、ご飯きを一杯食べるととてもおいしいでしょう。もう一杯たべてもやっぱりおいしいかもしれません。1杯目のご飯のおいしさと、2杯目のご飯のおいしさを比べると、最初の方がずいぶんおいしかった気がするということです。

 普通、最初の1万円もらうとは大きな意味を持ちますが、2万円もらったからといって2倍うれしいわけではなく、10万円もらったからといって10倍うれしいわけではありません。
ご馳走でも、最初の一口目はおいしいですが、2口目2倍おしいしわけではなく、10口目10倍おしいしわけではありません。

 ちなみに、あくまで同一人物を対象に「限界効用」を考えることが前提です。

 ですから、他人に喜んでもらおうと思うとき、1時に「どか~ん」と物や金を贈るのではなく、同じ物や金を送ろうというときは、定期的に、何回にもわけて贈るのが効果的です。

 また、お中元やお歳暮を贈ろうというときは、非常識にならない程度に、早めに贈ってしまうのが正解で、贈られた方も印象が残ります。

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