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金融・経済 バックナンバー

日本の航空会社の格付け

 米系格付け機関スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)発行体格付け・長期無担保債務格付けは、上から、AAA、AA、A、BBB、BB、B、CCC、CCに大別します。そして、それに、「AAA」と「CC」を除き「+」「印なし」「-」の付加記号をつけますが、「+」「印なし」「-」の順で下位になっていきます。

 米系格付け機関ムーディーズの発行体格付け・長期無担保債務格付けは、上から、Aaa、Aa、A、Baa、Ba、B、Caa、Ca、Cに大別します。そして、それに、「Aaa」と「Ca」「C」を除き1、2、3の付加記号をつけますが、1、2、3の順で上位になっていきます。

 スタンダード・アンド・プアーズでは、一般にBBB(一般的なレベルとされる)以上(その上はA、AAと続き、最高はAAA)の格付けが付与された社債を慣習的に「投資適格債券」(Investment Grade)と呼び、BB以下=BBB未満の格付け、もしくは格付けが付与されていない社債については「投資不適格債券」(Non Investment Grade)、あるいは、俗にジャンク債(Junk Bond)とも呼ばれています。
 同様、ムーディーズでは、一般にBaa(一般的なレベルとされる)以上(その上はA、Aaと続き、最高はAaa)の格付けが付与された社債を慣習的に「投資適格債券」(Investment Grade)と呼び、Ba以下=Baa未満の格付け、もしくは格付けが付与されていない社債については、やはり「投資不適格債券」(Non Investment Grade)、あるいは、俗にジャンク債(Junk Bond)とも呼ばれています。

 日本航空はご存じのとおりです。
 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は平成21年11月13日、日本航空と子会社の日本航空インターナショナルの長期会社格付けを「トリプルC」から「ダブルC」に引き下げたと発表しました。同時に、両社の長期優先債券の格付けは、「トリプルCプラス」から「トリプルC」に引き下げました。
 事業再生ADR(裁判外紛争解決)が正式に受理されたことで「債務が期日どおり履行されない可能性が高まった」(S&P)ためとしていますが、無担保の社債などは、どのような方法をとるにせよ、最優先でカットされますから、ある意味当然です。

 日本航空の大報道の「かげ」で見落とされがちですが、米格付け会社ムーディーズでは平成21年11月18日、全日空の無担保長期債務会社格付けを「Baa3」から「Ba2」に引き下げたと発表しました。
平成22年3月期の見通しを、従来の350億円の黒字から、200億円の赤字に下方修正したからです。
ムーディーズの格付けでは、Ba以下=Baa未満の格付けの社債については、「投資不適格債券」(Non Investment Grade)、あるいは、俗にジャンク債(Junk Bond)とも呼ばれています。
 つまり、全日空も「投資不適格」=ジャンク債になってしまいました。


 日本航空は駄目で、全日本空輸は好調ということではありません。200億円の赤字見込みというのは並大抵の金額ではありません。
 日本の航空会社は、いずれも経営は苦しいということです。
 航空不況は深刻なようです。

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