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金融・経済 バックナンバー

消費税増額

消費税の税率が、近い将来、5%から10%になりそうですね。

 弁護士の報酬(着手金・成功報酬・手数料等)には消費税がかかります。
 平成元年4月1日の消費税導入時には、弁護士の報酬についても、医療費同様消費税がかからないようにすべきだとの意見もあったのですが「無理筋」だったようです。

 平成9年4月1日に、消費税3%が5%に増額されました。
 それから13年以上が経過しています。

 年間売上1000万円以下の事業者は消費税を納付する義務はありません。但し、消費税を受領することは許されていますから(消費税分「丸もうけ」となります)、現実には、消費税を受領していない弁護士さんはいないと思います。

 平成16年4月1日に消費税法が改正され、「総額表示」になりました。
 63条の2に、「事業者は、不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う場合において、あらかじめ課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の価格を表示するときは、当該資産又は役務に係る消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を含めた価格を表示しなければならない」(一部省略)と定められています。

 「本来の価格」+「消費税」という方式ではなく、「本来の価格+消費税」を表示しなければならないということです。
 もちろん、「本来の価格+消費税」(内「消費税」○○円)という表示は許されます。


 弁護士の仕事は「役務」の提供です。「役務」は「サービス」のことで、弁護士は、サービス業に分類されることになります。

 弁護士が「不特定かつ多数の者」に「役務を提供する」という場合に該当するかどうかはわかりません。
 私が、ホームページを開設するにあたり、「不特定かつ多数の者」に「該当するかも知れない」ということで、私のホームページの「費用について」には、「本来の価格+消費税」という「総額表示」がしてあります。

 ただ、私が事件の委任を受けるときに作成する「報酬契約書」には、着手金については税込みの金額を記載していますが、成功報酬については、「本来の報酬『+消費税額』」と記載しています。
 着手金は、着手時に受領しますから税額がわかっていますが、成功報酬は、いつ事件が終わるかわからず、消費税が増額されたとき、私が増額分の負担をするのは不合理だからです。


 正直なところをいうと、消費税の増額は、「事業者」という点からすると「かないません」。
 依頼者の負担が、その分あがることになるわけですから、実質的に「値上げ」になるからです。
 弁護士は、一般の小売業者と違って、「競争のため」「値上げ分を事業者が負担する」ということはありませんが、「割高感をもたれる」ことは間違いありません。

 もっとも、現在の5%は中途半端ではあります。
 弁護士報酬で最低金額のものは法律相談料で、法律相談料が、30分5000円ですから、相談が30分以内で終われば、250円という端数がでます。現実には、相談者の3分の1くらいが、30分以内で終わっています。
 750円の「おつり」を出すために、小口現金の袋を開いて勘定することも珍しくありません。

 なんで、3%とか5%とか、パーセンテージ段階で奇数にしているのでしょう。

 もちろん、消費税があがるのは、弁護仕業という点から好ましくありません。ただ、7%や9%などと奇数にされるより、10%にしてくれた方がありがたいということになります。

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