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離婚

不審な養子縁組や結婚

 平成22年12月19日、不審な養子縁組の届け出が市区町村の戸籍窓口にあった場合、市区町村が最寄りの法務局へ報告し、法務局が実態調査にあたる仕組みを導入する方針となったそうです。

 具体的には、法務省民事局長名にて、具体的な運用基準を盛り込んだ通達を関係方面に出すという扱いになります。

 戸籍法は、「平成19年の改正(平成20年5月1日施行)」で以下の条文が加えられていました。
 27条の2
 「 市町村長は、届出によつて効力を生ずべき認知、縁組、離縁、婚姻又は離婚の届出(「縁組等の届出」という)が市役所又は町村役場に出頭した者によつてされる場合には、当該出頭した者に対し、法務省令で定めるところにより、当該出頭した者が届出事件の本人であるかどうかの確認をするため、当該出頭した者を特定するために必要な氏名その他の法務省令で定める事項を示す運転免許証その他の資料の提供又はこれらの事項についての説明を求めるものとする」
 27条の3
 「 市町村長は、縁組等の届出があつた場合において、届出事件の本人のうちに、前項の規定による措置によつては市役所又は町村役場に出頭して届け出たことを確認することができない者があるときは、当該縁組等の届出を受理した後遅滞なく、その者に対し、法務省令で定める方法により、当該縁組等の届出を受理したことを通知しなければならない」

 詳しくは「戸籍の窓口での「本人確認」が法律上のルールになりました」をご覧下さい。

 逆にいいますと、平成19年の改正(平成20年5月1日施行)までは、本人確認なしに、つまり、他人が本人になりすまして、結婚、離婚、養子縁組の届けなどができていたことになります。


 本人確認をしても、不正な養子縁組などの届けがあるということは、どういうことでしょう。

 よくあるのは「ブラックリスト逃れ」です。
 ブラックリストには「氏名」と「生年月日」が登録されます。
 姓が変われば、データ上、ブラックリストに「該当者なし」と扱われます。

 もちろん、結婚の意思もないのに婚姻届を提出したり、養子縁組の意思がないのに養子縁組届けの提出をすれば、刑法157条の「公正証書公正証書原本不実記載罪」に該当し、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。

 結婚・離婚は、相手が1名だけに限られますから、結婚していて、離婚の予定がなければ、不正は不可能です。また、結婚は「結婚しているのに同居していない」ということで、悪事が発覚しやすいのです。

 養子縁組は、相手が何名でもかまいません。また、養子縁組は、結婚に比べ、養子縁組・離縁を繰り返すことも「ありえます」。
 また、養子縁組をしたから、同居しないと不自然ということはありません。
 「言い逃れ」がしやすいんですね。

 いずれにせよ、偽装結婚や偽装養子縁組で、ブラックリスト逃れをして、借金などをすれば「詐欺」罪で10年以下の懲役に処せられます。


 次に多いのは「外国人の不法居住」の目的です。

 来日したい外国人と結婚すれば、配偶者ビザ(日本人の配偶者等の在留資格)が得られます。
 ちなみに、来日したい外国人と養子縁組をしたからといって、在留資格が得られるという保障はありません。夫婦が一緒に居住するというのは当然ですが、親子が一緒に居住するという必然性はありません。

 ということで、「外国人の不法居住」は、偽装縁組というより、偽装結婚が利用されます。

 結構、独身男性が、わずかなお金で、外国人と婚姻届けを提出したりするということがあります。今日日は、独身女性がアルバイト感覚で、偽装結婚をしてしまうということがあるようです。


 偽装結婚は、「同居」していないということで「発覚」しやすいのです。
 組織に「手入れ」が入れば「芋づる式」に摘発されます。

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