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離婚

自宅と財産分与

 住宅の頭金を夫あるいは妻の結婚前の預貯金から出したり、夫あるいは妻の親から援助してもらった場合、どのように計算するのかが問題となります。
 
 まず、購入代金を計算します。本体だけではなく、仲介手数料、不動産取得税など実費を計算します。備付けのものを除き家具は計算しません。
 
 そのうち、夫の分は「夫の結婚前の資金+夫の親や祖父母からの贈与(中途繰上返済分含む)」、妻の分は「妻の結婚前の資金+妻の親や祖父母からの贈与(中途繰上返済分含む)」、夫婦できずいた財産は返済分(中途繰上返済分含む)、あとは別居時のローン残高となります。
 
 例えば、諸費用込み4000万円のマンションで、1000万円が夫の結婚前の資金と親族からの贈与、400万円が妻の結婚前の資金と親族からの贈与、ローン残が1000万円としますと、夫婦できずいた財産である返済分は1600万円となります。夫が住宅ローンを返済するとします。

 夫固有の分(夫の特有財産)は1000万円+1000万円(住宅ローン)、妻の固有の分(妻の特有財産)は400万円、夫婦で築いた共有財産は1600万円です。
すると、夫の特有財産は50%、妻の特有財産は10%、夫婦で築いた共有財産は40%となります。
 
 妻の取り分は30%(10%+20%)です。夫の取り分は70%(25%+25%+20%)です。
 
 判決あるいは和解時に、自宅の時価が3000万円になっていたとした場合、夫が取得するためには、妻に3000万円×30%に該当する900万円を支払わなければなりません。
 
 夫の単独所有、夫と妻の共有名義になっていても金額は同じです。また、共有持分権の割合は問いません。

 ただ、建物の時価が、ローン残高より下落し、いわゆるオーバーローンとなっている場合は、マンションの財産分与どころではありません。
 
 あとは、裁判官の考え方次第です。
 
 住宅のオーバーローンを考えないという立場なら、その余の夫婦で築いた共有財産は2分の1ずつ取得します。妻の負担は0です。
 
 住宅のオーバーローンを考えるという立場なら、その余の夫婦で築いた共有財産のうち600万円を夫に分与し、その余を夫と妻各2分の1ずつ取得します。共有財産が600万円未満なら、妻は取得財産0で、夫の負債の2分の1を夫に対し負担することになります。そこまで残酷にする裁判官がいるかどうかはわかりません。
 
 ただ、いずれにせよ、扶養的財産分与により不負担となると思います。
西野法律事務所
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